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2024年11月19日 (火)

20世紀におけるドイツ「概念史」とアメリカ「観念史」の思想史的比較 / A historical comparison of the German “Begriffsgeschichte” and American “History of Ideas”of the 20th century

以下の質問をChatGPTに実行し、下記の回答を得ました。こういった問題設定をあまり見かけたことが無いので、ご参考になれば幸甚です。


「20世紀における、ドイツの Begriffsgeschichte(概念史) グループと、米国の History of Ideas(観念史) グループの知的交流の有無、そして、相似点と相違点、21世紀から見た思想史学上のそれぞれの評価をおしえてください。」

◆ChatGPTの回答◆

20世紀における思想史の研究において、ドイツの**Begriffsgeschichte(概念史)**グループとアメリカの**History of Ideas(観念史)**グループは、それぞれ独自の学問的伝統を形成しましたが、両者の間には一定の知的交流と、相似点・相違点があります。以下に整理します。

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## 知的交流の有無

- **直接的な知的交流は限定的**
- Begriffsgeschichteの中心人物であるラインハルト・コゼレック(Reinhart Koselleck)やオットー・ブルンナー(Otto Brunner)らは、主にドイツ語圏で活動し、特にヨーロッパの文脈に根ざした研究を展開しました。一方、アメリカの観念史はアーサー・O・ラヴジョイ(Arthur O. Lovejoy)を中心に発展し、英語圏の学問的伝統に依存していました。
- 直接的な交流は少なかったものの、20世紀後半に国際学会などでの議論を通じて、両者の研究が相互に認識されるようになりました。

- **翻訳と間接的影響**
- コゼレックの著作が英語に翻訳されることで、History of Ideasの研究者がその方法論を参照するようになった一方、アメリカの観念史の影響がドイツ語圏に及んだのは限定的でした。

ブログ主註 Reinhart Koselleckの英訳とは以下のものと思われます。
1) Sediments of Time: On Possible Histories (Cultural Memory in the Present) | Koselleck, Reinhart, 2018, Stanford UP
2) Critique and Crisis: Enlightenment and the Pathogenesis of Modern Society (Studies in Contemporary German Social Thought) | Koselleck, Reinhart, MIT Press, 1988
3) Futures Past: On the Semantics of Historical Time | Koselleck, Reinhart, MIT Press, 1985
4) The Practice of Conceptual History: Timing History, Spacing Concepts (Cultural Memory in the Present) | Koselleck, Reinhart, Stanford UP, 2002

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## 相似点

1. **知的対象の歴史性への関心**
- 両者とも、思想や観念が時間を通じてどのように変化したか、またその変化が社会や文化にどう影響を与えたかを探求しています。

2. **学際的アプローチ**
- 哲学、文学、歴史学、政治思想など、複数の学問分野を横断する方法論を採用しています。

3. **言語と意味への注目**
- Begriffsgeschichteは特に言語と概念の歴史的変化を中心に研究しますが、History of Ideasも言葉や表現に宿る思想を重視しています。

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## 相違点

1. **焦点の違い**
- **Begriffsgeschichte**: 特定の概念(例:「民主主義」、「自由」、「革命」)の歴史的変遷を、社会構造や政治的文脈に関連付けて分析。
- **History of Ideas**: より広範な「観念」や思想体系を取り上げ、それが哲学的または知的にどのように展開していったかを追求。

2. **方法論の違い**
- **Begriffsgeschichte**: 社会史や歴史社会学との連携が強く、概念の意味の変遷を具体的な歴史的状況と密接に結びつけて研究。
- **History of Ideas**: 思想や観念の持続性や反復性に注目し、時代を超えて普遍的なテーマを追求。

3. **文化的背景**
- **ドイツ**: 社会や歴史的文脈との相互作用を強調する学問的伝統。
- **アメリカ**: プラグマティズムや自由主義的な学問の枠組みから出発し、個々の思想家の独創性に重きを置く傾向。

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## 21世紀から見た評価

1. **Begriffsgeschichte**
- 21世紀においても、コゼレックの概念史的方法論は多くの分野で影響を与え続けています。特に、ポストコロニアル研究や環境史など、新たな文脈で応用されています。
- 社会科学や歴史学における「歴史的概念分析」のモデルとして高く評価。

2. **History of Ideas**
- ラヴジョイのアプローチは、ある種の単純化や普遍主義的な側面が批判されることもありますが、思想の長期的持続や「単一観念」の分析は依然として価値があります。
- 特に、デジタル・ヒューマニティーズの分野でのテキストマイニングなどに適応し、新たな形で復活。

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## 結論

ドイツのBegriffsgeschichteとアメリカのHistory of Ideasは、方法論や焦点に違いがあるものの、思想史という学問における重要な伝統として位置づけられています。それぞれのアプローチが補完的に機能し、21世紀の学際的研究に新たな視点を提供しています。

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