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2025年1月 1日 (水)

自称リアリストたちは、「成長」の白昼夢を見るか?/ Do these self-proclaimed realists have daydreams of “growth”?

地球の半径は約6400km、円周は、約4万km。表面積は5.1億km^2。陸地面積は約1.5億km^2。海洋面積は3.6億km^2。この地球のサイズは人類が逆さになっても増やせません。

また、安田喜憲(環境考古学)によれば、地球の最大可耕地面積は21億ha、最大人口支持力は80億人。国連の世界人口推計で2022年には80億人を突破しています。

以上にも関わらず、環境やエコロジーを軽侮する、自称「リアリスト」たちは、いまだに「成長が必要」であり、むしろこれを好機として「環境問題をイノベーションで突破して新たな成長路線を」、と脳天気なことを唱和しています。この手合いは、Daydreamers(夢想家/夢遊病者たち)と他称すべきでしょう。

「成長パラノイア」がここまでくると、彼らには一種の精神分析が必要なのではないか、と思われます。何が原因で、そこまで病的なまでに「成長」を欲するのか、と。「modernity」は西欧近代が基本的にその format を歴史的に生成しています。従いまして、この「病」の根は、「西欧近代」に発するのでは?と推論するのがとりあえずは妥当でしょう。

今年は、この問題を主に追求していこうと思います。

下記もご参照。
エントロピーと成長経済(1) Entropy and Growth Economy (1): 本に溺れたい
エントロピーと成長経済(2) Entropy and Growth Economy (2): 本に溺れたい

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コメント

「成長」を「量的増大」でしか見れていない今の「経済学」「西側文明」は発狂しているとしか言えない気がします。

質的に「分け合って、モノは増えたわけでないけど、社会が回って豊かになる」って最終的にはそれに行くしかないのですけど・・それもなさそうですよね・・・

分け合って、融通しあって、それから「新しいモノ」が生まれる・・それまで「廃棄」してたものが使えるようになったり、単発で終わっていたことがリサイクルして何度も使えるようになったり・・でも今の経済学・学術ではそんのもの見えない。


まさに「自我中心合理主義」ってやつが「発狂」の原因で、それが「キリスト教学&ギリシア哲学の解釈」という西洋近代文明の根幹の一つに関わってくるので、西洋人には至難な気もします。。自分の「考えかた」がオカシイ・・自分の頭がオカシイ・・・て気付くのは大変ですからね。

投稿: 遍照飛竜 | 2025年1月 1日 (水) 19時42分

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