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2025年3月14日 (金)

新カテゴリー、「前田 勉(Maeda, Tsutomu)」を追加

弊ブログでは、日本思想史家・前田 勉氏の仕事については、何度も触れています。それにも関わらず、うっかりして「カテゴリー」を立てていませんでした。

遅ればせながら、それに気づきましたので、下記カテゴリーを新しく作り、追加しました。

新カテゴリー 「前田 勉(Maeda, Tsutomu)

前田 勉氏は、日本思想史学会の会長(2014-2017年度)を歴任されていますので、すでに大家と称して宜しい学者かと思います。従いまして、私に抜かりがあったというだけで、今更、ではあります。先月2月に平凡社から下記の著書を出されていたのをたまたま気付きましたので、これを機に新カテゴリーを作成した次第です。

51cpwr6ancl_sl1000_ 前田 勉『近世日本の支配思想:兵学と朱子学・蘭学・国学』平凡社ライブラリー No.982、2025年2月7日刊

※ただし、同著者の、平凡社選書『兵学と朱子学・蘭学・国学 : 近世日本思想史の構図』(2006年刊) を改題して、ライブラリー版としたものです。

 

 

 

弊ブログにおける、カテゴリー「前田 勉(Maeda, Tsutomu)」の一覧は、本記事の下段に6件あります。ご笑覧頂けましたら幸いです。

 


※前田 勉氏の主な編著作、一覧表を以下に掲げておきます。
前田 勉氏の徳川政治思想史研究の特徴は、「儒学」以外の諸学、例えば国学、蘭学、とりわけ「兵学」も視野にいれて、徳川思想史を論じている点でしょう。徳川日本においての統治者身分は武士です。そして、武士の基本的カテゴリーは《戦闘者》であるわけですから、当然、「兵学」や《軍事学》《戦争学》が武士階層の基本的リテラシーであるはずです。にも拘わらず、従来の徳川政治思想史研究では、「兵学」はどちらかと言えば、継子扱いでしたし、今でもそうです。その意味で前田氏のアプローチは、リアリティがあり、真っ当だと思います。法学部系の法思想史家、国制史家とのコラボレーションがあればより実りがあったのではないかと思いますので、その点が惜しまれます。

①近世日本の支配思想 : 兵学と朱子学・蘭学・国学、 平凡社 2025.2 平凡社ライブラリー 982
江戸思想史の再構築、思文閣出版 2023.3
江戸の読書会 : 会読の思想史、平凡社 2018.9 平凡社ライブラリー 871
江戸教育思想史研究、思文閣出版 2016.10
江戸の読書会 : 会読の思想史、 平凡社 2012.10 平凡社選書 232
江戸後期の思想空間、ぺりかん社 2009.2
兵学と朱子学・蘭学・国学 : 近世日本思想史の構図、平凡社 2006.3 平凡社選書 225
本居宣長、村岡典嗣著、平凡社 2006 増補 東洋文庫 746, 748
日本思想史研究 : 村岡典嗣論文選、平凡社 2004.5 新編 東洋文庫 726
近世神道と国学、ぺりかん社 2002.2
近世日本の儒学と兵学、ぺりかん社 1996.5
先哲叢談、原念斎 [著] ; 源了圓, 前田勉訳注、平凡社 1994.2 東洋文庫 574

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コメント

わかる気がします。

江戸時代まで勝ち抜いた統治の思想は、兵学だったかもしれない。
前漢の初めに、黄老思想が、メインだったみたいに。

まずはそれを基準に「ほかの思想」も考えるようになるって思います。


あと「法治の学」は、管仲の法学は軍事学も兼ねていたし、その斉出身の孫武が兵法の泰斗になっているし・・。

ただ「平時の法治」から始まった中国の法治と、もしかしたら「戦時・戦陣の法治」から発展したかもしれない近世日本の「法治」の違いもなにかあるのかな・・


投稿: 遍照飛龍 | 2025年3月14日 (金) 20時14分

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