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2025年5月31日 (土)

本ブログ開設20周年に際して

本ブログ記事第1号の日付は、2005年5月16日となっています。従いまして、2025年5月で20周年となる計算です。

通算のpost数は、2119件となります。20年間とは、240ヶ月、1043週、です。投稿数は、月平均8件、週平均2件となります。これは、少ない、と言うべきなのか、普通なのか。少なくとも、多くはないでしょう。

ブログ名である「本に溺れたい」は、その場の思いつきでした。単に、本が好きで、本に溺れるような、読書三昧の日常が送れれば良いな、といった程度のことでした。私は、かつて古書店で十年ほど働いていました。学生時代や社会人になってからでも、古書を買うこと、古書漁りは、私の大事な趣味でしたので、その延長で、気紛れにこの業界に飛び込んだのです。そして実際に、古書にまみれる日常を過ごしたのでした。

古書店での仕事を通じて知った最も切実なことは、世の中に全く新しい物事などないのかも知れない、ということでした。古書の取り扱いは私にとりビジネスですから、仕事中にじっくり読書する時間など当然ありません。しかし、仕事として本の装丁や中身の物的検査は必ず実施します。1日平均100冊を検品するとして、1年間で30,000冊ほどの本に眼を通します。その労働生活を10年間続けました。だから、少なくとも300,000冊の古書に接し、それらを読まずとも、瞥見していたことは間違いありません。すると、世の中で「新しい」とか、「独創的」と持て囃されていることは、大抵において、「あれ。そんなこともう・・・に書いてあるじゃん!」と思い当たるのです。新しい問題として熱っぽく議論されていることも、「また同じようなこと言っている」という感想を持つようになりました。

だから、私は自分にとって未知で、「新しい」ことを知りたいと考えると、最新情報をネットで漁るより(そういうこともしますが)、古書や古い事績について心当りを探す(探求する)ようになりました。すると、十中八九、前例や旧い例が見つかるのです。だからどれほど「新しそう」なことでも、一旦「旧いこと」に当たり、それを通じて、「新しい」ことの、真の「新しさ」の理解を深める接近法をとる、という探求の方法が身に付きました。

そして、そのうち、玉石混交で、未整理で、雑駁な知識のかたまりの中に、categoryAに属するある事物aを、categoryBに属する事物bから観ることで共通点がみえたり、事物aと事物bは、categoryCから観れば、同類と観ることができて、その事態をcategoryCで表現すると、むしろ誤解を生むため、新category(新しい言葉)が必要になることに気付くようになっています。その言葉がうまく構成できないため、新category 作成がpending になっていて、仕方ないので既存category に押し込んだままのものも結構あります。本ブログに煩わしいほど多くの 記事category があるのはそのためです。

いま、PCのキーボードを叩いている周辺に眼をやると、「本に溺れ」ていることを否が応でも認めざるを得ません。おそらく、大型本も小型の本も含めて、概算3,000冊ほどあります。ほぼ古書です。新刊本は滅多にありません。しかし、この古書の大群は、私には古く見えない。私にとっては新しい知識探索の結果だからです。私の寿命が81歳(現代日本人男性の平均余命)まで、仮にあったとしても、全て読み終わることはないでしょう。そういう意味では、本ブログを開始したころ(実はその頃から危険だったのですが)の夢、「本に溺れたい」は、完全に実現しています。

しかし、それでも、毎月何冊かの本を、ama***/.co.jp/.comや、日本の古***に発注してしまい、後悔と歓びの間の回廊を行きつ戻りつしています。

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