人類史におけるヨーロッパの特異性(1)
《世界史》というより、《人類史》の見地から言えば、欧州の事跡が他の地域も同じような道をたどるであろう普遍的事実、ないし他の地域が学習し模倣すべき模範的事実とは言えない。《to be》ではないことは勿論、《ought to
be》でさえもない。このことは21世紀を迎えて約10年、既に明白になったといえる。
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《世界史》というより、《人類史》の見地から言えば、欧州の事跡が他の地域も同じような道をたどるであろう普遍的事実、ないし他の地域が学習し模倣すべき模範的事実とは言えない。《to be》ではないことは勿論、《ought to
be》でさえもない。このことは21世紀を迎えて約10年、既に明白になったといえる。
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ラッセルにこういうエッセイがあるとは、ついぞ最近まで知らなかった。当時の大恐慌下における一種の有効需要論ともなっている。
「近代の技術は、すべての人々のために、生活必需品を確保するのに必要な労働量を甚だしく減らすことができるようにした。このことは、戦争中にはっきりわかった。戦時には、・・・、戦争に関係ある政府の職務に従事するあらゆる男女は、すべて生産的な業務から引き抜かれたのである。こういう事実があったにもかかわらず、連合国側の未熟練賃金労働者の健康状態はよくて、その一般的水準は、戦前戦後よりも高かった。・・・。要するに、戦争は、生産を科学的に組織すると、現代世界の労働能力をずっと減らしても、それで現代の民衆に十分楽な生活を送らせることができることを証明したのである。それでもし戦争が終わった際、人々を戦闘や軍需品製造にふりむけるために創められた科学的な組織を持ち続け、労働時間を四時間に切り下げてしまったなら、だれもが好都合になっただろう。だが、そうならないで昔の混乱が再び起り、働く義務のある人間は、永い時間働くようにされ、残りの人は、失業者として飢えるままにほっておかれた。」
B.ラッセル『怠惰への讃歌』堀秀彦・柿村峻訳、角川文庫(1958)、p.13「貧乏人にもひまをあたえるべきであるという考え方には、いつも金持はぞっとしていた。イギリスでは、十九世紀の初期をみると、十五時間が、ひとりの人間の平日の労働時間であった。子供でも時々同じ時間働いたが、一日に十二時間労働がごく当り前のところであった。世話ずきのおせっかいが、どうもこんな時間は長すぎるようだと言い出したら、仕事のおかげで、大人は酒を飲まなくなるし、子供は悪戯しなくなるといって反対された。私の少年時代のことだが、都会の労働者たちが選挙権を得た直後、公休日が法律で制定され、上流階級の非常な怒りをかったことがあった。或る老公爵夫人が「貧乏人たちは、休日でどうしようとするつもりだろう。その人たちは働くべきだ」というのを聞いたことを思い出す。今の人々はそうはっきりいわないが、これと同じ感情が残っており、多くの私たち現代の経済混乱の源となっている。」pp.14-15
原文は、容易にネット上でアクセスできる。アメリカの緑の党や、ヨーロッパのアナーキストのサイトに掲載されているところが興味深い。以下はその一つから拝借したもの。比較的短いエッセイなので、全文(英語)を引いておく。
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カテゴリー「Stephen Toulmin」を作成した。
彼を含む、イギリス戦間期の知識人社会、特に、オックスブリッジは実に興味深い。Berlin 、Wittgenstein 、Collingwood 、Keynes 、・・・。
彼、Toulmin の、『近代とは何か Cosmopolis 』1990(邦訳2001)については、絶えず触れることになる。
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