支配の事実か、事実の支配か
私はここ十年くらい「明治維新」は、薩長の軍事力による暴力革命政権であり、正当性の根拠は皆無、と考えてきました。そして、司馬遼太郎のような「明治」への懐メロ礼讃は、所詮、戦後の自民党一党独占政権と高度成長を正当化するイデオロギーとしてしか働かないと思っていました。
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私はここ十年くらい「明治維新」は、薩長の軍事力による暴力革命政権であり、正当性の根拠は皆無、と考えてきました。そして、司馬遼太郎のような「明治」への懐メロ礼讃は、所詮、戦後の自民党一党独占政権と高度成長を正当化するイデオロギーとしてしか働かないと思っていました。
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デモクラシーを列島史の中で生起した生政治(Bio-politics)の一部として議論するとき、批判的な文脈で言及されることが多い。
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試(こころみ)に彼の胡蝶(こちよう)を見よ。その芋虫(いもむし)たるときは之を御(ぎよ)すること甚(はなは)だ易(やす)し、指以(もつ)て撮(つ ま)むべし、箸以て挟むべし、或はその醜を悪(にく)めば足以て踏殺(ふみころ)すも可なりと雖ども、一旦蝶化(ちようか)するに至ては翻々(へんぺん) 飛揚して復(ま)た人の手足に掛らず、花に戯れ枝に舞い意気揚々として恰(あたか)も塵間(じんかん)の人物を蔑視愚〔弄〕哢するが如(ごと)くなれど も、羽翼(うよく)既(すで)に成る、之を如何(いかん)ともすべからず、指以て撮むべからざるなり、箸以て挟むべからざるなり。
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■内容に関して
簡単な見通しを得たい方は、後に掲げる書評1)を、ここ数年矢継ぎ早に出ている坂野氏の他の著作と関連させながら、詳しく辿りたい方は、2)をご覧戴きたい。
■なにゆえ「憲政史」?
「本書では、憲法起草運動と国会開設運動、解釈改憲論(天皇機関説)と普通選挙運動(民本主義)の双方を含んだものとして「日本憲政史」を定義したい。」
本書、序章、p.6
書名を換言するなら、「近代日本における民主制 democracy の発達」か。
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「第二は、1866(慶応2)年、第二次長州征伐とともに未曾有の米価高騰の事態となり、いわゆる世直し状況下に突入する問題である。この場合、在地での豪農商層による爆発阻止の必死の調整努力がうまく機能しなかった地帯において世直し一揆が展開したのであるが、一揆が展開した地帯にしろ、展開するにいたらなかっ地域たにしろ、内包していた問題(民衆の下からの恐るべき圧力)は同一であり、全国の豪農商層は、この段階で、幕府の国内統治能力に見切りをつけたと、筆者は考えている。」 宮地正人「総論」、維新変革と日本、シリーズ日本近現代史1、岩波書店(1993年)、P.12
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