GPT-5 は雑誌記者を不要にする / GPT-5 will make magazine reporters obsolete
AIが万能の下請け業者に、システム開発の多重下請け構造は今度こそなくなるか | 日経クロステック(xTECH)
上記の記事は、雑誌コラムをChatGPT(GPT-5モード)に「AIが万能の下請け業者に、システム開発の多重下請け構造は今度こそなくなるか 」というテーマで書かせた実例です。これを書かせた記者の最終的意見は、
「要するに私が書く必要は全くなくなってしまった」
とのことです。
私もつい先日、ChatGPT に「《親密圏 Sphere of Intimacy》の思想史」を書かせたばかりでした。私のテーマは、もう少しオタク系なので、古代/中世にもう少しツッコミが必要かな?、と思いましたが、私が不案内の現代については、私にとり必要かつ十分でした。コラム記者の結論、
「知的作業はAIがすべて担うようになる。自動化がとことん進むのだ。私たちは人間にしかできないことを探していかなければならない。」
に深く頷かざるを得ません。
すでに、AIは知的創造力を獲得しつつあります。しかしその驚きは、膨大ではありますが、すべて既知のデータベースから創出したものです。したがいまして、簡単に個人の知識容量を凌駕するのは当然といえば当然です。なぜなら、個人の知識は既知の知識で埋め尽くされているに過ぎないからです。既存知識で競争するなら、個人が生成AIに太刀打ちできる訳がありません。
一方で、既存知識とは言っても、AIのそれはデジタル化された限りでの森羅万象の知識です。つまり、人類知識史(古代メソポタミア文明から起算して)8千年の内の、高々30年分です。人類がこれまで生成した知識の0.4%弱に過ぎません。
また、当然ではありますが、個人が創造するであろう新知識はデジタル化されてない訳ですから、それを生成AIは利用できません。
以上から、生成AIが標準実装された時代における《知的作業》には、二つの階層 layer があることになります。
第1階層(下層)AIが圧倒的に強い、既存デジタル知識の網羅的統合化とそのデジタル表出(言語/画像/動画)
第2階層(上層)AIにアクセス不可能な、未デジタル化状態の、人類知識史上の過去の文物に関する知識の統合とその表出。
および、個人が創発する新知識の統合とその表出。
2025年以降の人類史における知的成果は、AIを上手に使役したうえで、何度でも試行し、何度錯誤してもその痛みを厭わない(AIにはできないだろう?)、agile かつ resilience な創造的個人たちによって創発されていくだろう。これが今のところの私の小括です。



最近のコメント