3年前に、宇佐美貴史の今の苦境を予言しているかのような記事があった。
心配なのがこのチーム、このカテゴリーでは敵なしで、才能を持て余している感のある宇佐美の行く末だ。例えば、ビジャレアルのエグレンやブルーノといった選手のマネジメント業務に携わるスカウトのファクンド・エレファン氏は宇佐美についてこういう話をしてくれた。
「タカシがスーパーな選手なのは間違いないし、彼ほどのタレントは欧州でもそうはいない。ただ、すでにこの年齢で彼は手を抜いてプレーすることを覚えてしまっている。それは70%、80%の力でプレーしても十分通用するからだ。一流の選手になるためには、18歳前後の年齢で100%ではなく110%でプレーし続ける必要がある。もし今のようなプレーぶりが1年、2年と続けば危険だ。日本で彼が110%の力を出せないのであれば、早く欧州に来た方がいいだろう」
スポーツナビ | サッカー|日本代表|欧州のスカウトが見たU-17日本代表と宇佐美(2/2)
十代のうちに、欧州有力クラブのスカウトたちにこれほど評価された選手は宇佐美以外に日本にはかつていなかったろう。それだけに、上記の指摘がズッシリと重くのしかかる。簡単にいって選手としての成長が止まっているわけだ。フットボーラーとしての素質ではなく成長可能性を考えたとき、香川真司と宇佐美貴史と現状の違いに合点がいくし、宇佐美と家長昭博や浦和レッズ・ペトロビッチ監督にイングランドでプレーしていても不思議ではないと言わしめたタレント前田俊介の類似性も気になるところだ。
オーバー・エクステンションな状況で努力し続けること。これ以外に潜在能力を顕在化させる(成長させる)方法はない。
吉田健一の中島敦評
「・・、叉かういう打てば冴えた音を發しさうに思へる程緊密に言葉を配置した文章を書くものが、その為にどんな苦労をするかは察せられるが、その苦労をすることが出來るものにとっては文学はさうした作品以外のどのようなものでもない筈である。」
吉田健一『作者の肖像』(吉田健一著作集、第16巻所収、1980集英社)
宇佐美や家長、前俊とは、《その苦労をすることが出來るもの》だと思うのだが・・・。
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