Poincare, Jules-Henri

2023年1月26日 (木)

heuristics としての「数学」について( or 数学は科学か?)/ On "mathematics" as heuristics (or Is mathematics a science?)

 数学がトートロジー tautology であるにも関わらず、「発見法的 heuristic」に強力である理由を2点考えてみました。

1)多次元で複雑な「思考 thinking」を、演算化(算術化)し、一次元の記号列に次元低下する。著しく「思考経済 Thinking economy (Denkökonomie)」的と言えるでしょう。

 中学受験では、「つるかめ算」をよく「面積図」化しますが、中学数学でいったん連立方程式の手法に慣れると二度と以前の解法に戻れなくなるのも、方程式の「思考経済」効果の一例です。

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2021年1月22日 (金)

私の知的リソース・ダイアグラム/ My intellectual resource diagram

 下記記事は、四年前の元旦に書いたものです。読み直したら、標題と内容が食い違っていると気づきましたので、改題して新記事とすることにしました。埋め草記事とご容赦頂ければ、幸甚。

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2013年5月19日 (日)

ポアンカレ『科学と仮説』岩波文庫(1985年) Jules-Henri Poincaré, La Science et l’hypothèse(1902)

Henri_poincar2
 科学哲学の古典中の古典である。

■良薬口に苦し
 ただし、この世の中にある言説のうちで、得体の知れない宗教や怪しげな哲学議論とは異なり、《実証的》な自然科学や摩天楼のような数学体系だけを《真理》だと思い込んでいる(思い込まされている)人々には、少し苦い薬かもしれない。

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2011年12月 4日 (日)

直観主義とポアンカレ/ Intuitionism and Jules-Henri Poincaré

 以前、下記のエントリーでポアンカレと直観主義の関連に強い疑義を書いた。ところがある文献*を読むとその関連には合理的根拠があることが分かった。従って、ここに小さく訂正のエントリーを記載しておく。ただし、私の間違いにも多少の救いはあるので、弁明も少し書いておきたい(箇条書き風に整理してみる)。

*林晋・八杉満利子 訳・解説『ゲーデル 不完全性定理』岩波文庫(2006年) pp.181-197、特にp.197を参照。

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2010年4月 3日 (土)

渡辺浩『日本政治思想史 ― 十七~十九世紀』東京大学出版会(2010年)(4)

(3)より

■容易ならざる書

 第七章まで読み終えた。う~ん、読み始めてすぐ、多少失望したことをこのエントリーの初回にこぼしていたのだが、ここまで読んできて、その語り口に変化があるわけではないが、少しずつ、これはひょとすると容易ならざることか?と感じ始めている。やはり本は読み終えてから論評すべきだったか。その反語的問いかけの繰り返しに、やや鼻白んでしまう時もあるのだが、それ以上に、直截な問いかけが読み手の心を揺さぶることは確かにあるとも思えるのだ。著者の今回の試みに対しては、もう少し時間が必要かもしれない。

■「自然は数学の(=人間の)言葉だけで書かれているわけではない」renqing

 下記は、少々物言いを付けたくなったので付言しておく。

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2007年6月25日 (月)

物理法則に物理量は存在するか(3.1)/ Are there physical quantities in physical laws?

F.Nakajima 様、コメントありがとうございます。

 さて、コメント戴いた内容ですが、重要な論点がいくつかありますので、順を追って、当方の頭の整理も兼ねて、コメント欄ではなく、記事として書いてみます。

1)wikipedia の「科学的実在論」をご紹介戴きありがとうございます。とても分かりやすく、こちらの考えを整理するのに役立ちました。

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2007年6月19日 (火)

物理法則に物理量は存在するか?(1)

 例えば、「質量保存の法則」。

 中学校の理科で習う。物質を燃やしても、なくなるわけではなく、その残った灰や煙、等をかき集めれば、燃やす前の質量を同じだ、という。では、その「質量保存の法則」そのものはいったいどこにあるのか。「質量保存の法則」の物理量保存の法則はあるのだろうか。

 物理量があれば(質量にしろ、エネルギーにしろ)、物理的に存在するといえ、物理量がなければ、物理的に存在する、とはいいにくいだろう。

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2007年5月25日 (金)

「哲学の自然化」?

哲学の歴史〈第11巻〉論理・数学・言語 20世紀2

 上記の本が面白いらしい。「哲学の自然化」で、哲学が脳科学に吸収合併されてしまう勢いなのだそうだ。

 別にそれは全く構わない。痴人の戯言にしか聞こえない哲学論議もある。今、カントの「優れた」解説書(というより入門書か?)を読み終わろうとしているが、どこがいいのかサッパリ分からない。筆者は書きながら改めて感動しているようで、こちらはシラケル一方。

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